「SBI証券の口座、もう使わないかな…?」
そうお考えのあなたへ。この記事では、SBI証券の口座をスムーズに解約・閉鎖するための全ステップを、初心者の方にも分かりやすく徹底解説します。
「手続きって面倒くさそう…」「残っている株やお金はどうなるの?」「注意点って何?」
そんな疑問や不安も、この記事を読めばスッキリ解消!具体的な解約手順はもちろん、事前にチェックすべき重要ポイント、残高の処理方法、解約後の注意点、そして意外と知らないセキュリティの話まで、必要な情報を網羅的にご紹介します。
この記事をガイドブック代わりに、SBI証券の解約をスムーズに完了させましょう!
投資に興味がある方におすすめ!
SBI証券の解約(口座閉鎖)手続き【完全ステップガイド】
SBI証券の口座を解約するための具体的な手順を、ステップ・バイ・ステップで解説します。この通りに進めれば、迷うことなく手続きを進められます。請求書の取り寄せから提出、完了までの流れをしっかり確認しましょう。
ステップ1:解約前の準備と確認事項
解約手続きをスムーズに進めるために、まずは以下の点を確認しましょう。焦って手続きを始めて後で困らないように、事前準備が肝心です。
口座残高(現金・証券)の確認と処理
最重要ポイント! 口座に現金や株式、投資信託などの残高が1円でも残っていると、原則として解約手続きはできません。
- 現金: 残っている場合は、すべて出金しましょう。出金方法は後ほど「注意点1」で詳しく解説します。
- 株式・投資信託など: 売却して現金化するか、他の証券会社に移管(引っ越し)する必要があります。どちらの方法が良いかは、ご自身の状況に合わせて判断しましょう。こちらも後ほど「注意点1」で詳しく解説します。
積立設定をしている場合
もし投資信託などの積立設定をしている場合は、解約手続きの前に必ず解除しておきましょう。
SBI証券のスマートフォンアプリを使えば、積立設定の解除は非常に簡単です。「口座管理」メニュー内の「保有証券・資産状況」や関連項目から積立設定中の銘柄を探し、「削除」や「解除」といったボタンをタップして、取引パスワードを入力すれば完了します。これはあくまで「積立設定の解除」であり、保有している投資信託自体を売却したわけではないので、保有銘柄一覧からは消えません。
登録情報の確認(氏名・住所変更など)
SBI証券に登録している氏名や住所は、現在の情報と一致していますか?もし引っ越しなどで変更があったのに手続きをしていない場合、解約書類が届かなかったり、本人確認で不備になったりする可能性があります。
解約手続きを始める前に、必ず登録情報を確認し、最新の情報に更新しておきましょう。ログイン後、「口座管理」>「お客さま情報 設定・変更」などのメニューから確認・変更が可能です。
NISA・つみたてNISA口座の確認
NISA口座やつみたてNISA口座を開設している場合、通常の証券口座(特定口座・一般口座)の解約とは別に、NISA口座の閉鎖手続きが必要になることがあります。
NISA口座内の資産も、売却または移管(※NISA口座の移管は年単位など条件あり)が必要です。特に、NISA口座を解約すると、その年の非課税投資枠は再利用できなくなるなどの注意点があります。詳細は後述の「注意点2」で解説します。
NISA口座で保有している投資信託を売却・現金化する場合、通常の口座と同様の手順で可能ですが、売却から出金までにはタイムラグがある点に注意が必要です。急な出費などで現金化が必要になった場合でも、ネット証券なら比較的スムーズに手続きできます。(詳細は後述の「注意点2」で解説)
ステップ2:「口座解約請求書」の取り寄せ方法
SBI証券の口座解約には、「口座解約請求書」という書類の提出が必要です。この書類は、オンラインまたは電話で取り寄せることができます。
オンラインでの請求手順
SBI証券のウェブサイトにログインし、以下の手順で請求手続きを進めます。
- ログイン後、画面右上の「口座管理」をクリック。
- 「お客さま情報 設定・変更」>「ご登録情報」などの関連メニューを探します。(※メニュー構成は変更される場合があります)
- 「口座解約」や「書類請求」に関連する項目を見つけ、画面の指示に従って請求手続きを行います。
- 通常、数営業日で登録住所に請求書が郵送されます。
電話での請求手順
SBI証券カスタマーサービスセンターに電話して、口座解約請求書を送付してもらうことも可能です。
SBI証券カスタマーサービスセンター
電話番号:公式サイトでご確認ください(ナビダイヤル、携帯電話からなど複数の番号があります)
- お問い合わせ先
- 電話番号:0800-170-5333
- テクニカルサポートデスク
- 固定電話の場合:0120-581-255
- 携帯電話の場合:0570-010-702
- 受付時間:通常 平日8:00~19:00(年末年始を除く)
電話口で口座番号や氏名などを伝え、口座解約をしたい旨と請求書の送付を依頼しましょう。オペレーターの指示に従ってください。
ステップ3:必要書類の記入と提出
「口座解約請求書」が届いたら、必要事項を記入し、本人確認書類とともにSBI証券へ返送します。記入漏れや書類不備があると、手続きが遅れる原因になりますので、慎重に行いましょう。
口座解約請求書の記入例と注意点
請求書には、口座番号、氏名、住所、解約理由などを記入する欄があります。
- 記入漏れ・誤字脱字がないか確認: 特に口座番号や氏名は正確に記入しましょう。
- 捺印: 届出印(口座開設時に登録した印鑑)が必要な場合があります。鮮明に捺印してください。
- 解約理由: 簡単な選択形式や記入形式の場合があります。正直に記入しましょう。
- 署名: 必ず自筆で署名してください。
本人確認書類の準備
解約手続きには、本人確認書類のコピーが必要です。一般的には以下のいずれかが必要となります。請求書に同封されている案内をよく確認してください。
- 運転免許証(表・裏)
- マイナンバーカード(表面のみ)
- パスポート(顔写真ページ、所持人記入欄)
- 各種健康保険証(※記号・番号、保険者番号は見えないようにマスキングが必要な場合あり)
- 住民票の写し(発行から6ヶ月以内) など
コピーの注意点:
- 氏名、住所、生年月日が鮮明に読み取れるようにコピーしてください。
- 有効期限内のものを用意してください。
- マイナンバーカードの場合は、通知カードは不可です。個人番号(マイナンバー)が記載されている裏面のコピーは不要です。
書類の送付方法
記入済みの「口座解約請求書」と「本人確認書類のコピー」を同封し、SBI証券指定の宛先へ郵送します。返信用封筒が同封されている場合は、そちらを利用しましょう。
- 送付先住所: 請求書に同封されている案内や、SBI証券公式サイトでご確認ください。
- 郵送方法: 普通郵便でも可能ですが、心配な方は特定記録郵便や簡易書留などを利用すると追跡ができて安心です。
ステップ4:SBI証券での処理と解約完了通知
書類がSBI証券に到着後、不備がなければ解約処理が進められます。
- 処理期間の目安: 通常、書類到着後1週間~2週間程度で処理が完了しますが、混雑状況によっては前後する可能性があります。
- 解約完了通知: 解約手続きが完了すると、SBI証券から「口座解約手続き完了のお知らせ」といった書面が郵送で届くのが一般的です。この通知をもって、正式に口座閉鎖となります。
SBI証券解約前に必ずチェック!重要な注意点
SBI証券の口座解約は、手順さえ踏めば難しいものではありません。しかし、いくつか注意しておきたいポイントがあります。後で「しまった!」とならないために、以下の点を必ず確認してください。
注意点0:不正アクセス・フィッシング詐欺に注意!
近年、他のネット証券でも不正アクセスによる被害が報告されています。保有していた株が勝手に売却されたり、身に覚えのない取引が行われたりする手口です。SBI証券でも過去に不正アクセスによる資金流出が発生した事例があります。
自分の資産は自分で守るという意識が非常に重要です。
- フィッシング詐欺に警戒: SBI証券を装った偽のメールやSMS(ショートメッセージ)に注意しましょう。メール内のリンクを安易にクリックせず、必ず公式サイトをブックマークするなど、安全な方法でログインするようにしてください。メールの送信元アドレスが公式ドメイン(例:
***@sbisec.co.jp
)かどうかも確認する癖をつけましょう。 - セキュリティ設定の確認と強化: 解約前に限らず、普段からセキュリティ設定を見直すことが大切です。SBI証券では、以下のセキュリティ機能の利用が推奨されています。
- デバイス認証サービス: 事前に登録した端末(PCやスマートフォン)以外からのログインを制限します。第三者による不正ログインのリスクを低減できます。
- 出金時の二要素認証サービス: 出金手続きの際に、登録したメールアドレス宛に送られてくる認証コードの入力が必要になります。2025年5月9日以降は出金額に関わらず必須となる予定です。不正な出金を防ぐために、必ず設定しておきましょう。
- ファイド認証(スマホ認証): スマートフォンアプリを利用した生体認証(指紋や顔)やパスコード認証で、より安全かつスムーズにログインできる機能です。ただし、専用アプリのインストールが必要で、一部ユーザーからは操作が少し煩雑に感じるとの声もあります。
- ログイン通知メール: SBI証券のサイトにログインがあるたびに、登録メールアドレスへ通知が届く設定です。身に覚えのないログインにいち早く気づくことができます。
これらのセキュリティ設定は、SBI証券ウェブサイトにログイン後、「口座管理」>「お客さま情報 設定・変更」>「各種サービス」といったメニューから確認・変更できます。設定自体は数分で完了する場合が多いので、ご自身の資産を守るためにも、必ず確認・設定しておきましょう。
デバイス認証の設定方法
FIDO(スマホ認証)の設定方法
SBI証券は、ユーザー側の過失(例:フィッシング詐欺によるパスワード漏洩、使用端末のウイルス感染、安全でないフリーWi-Fi利用による情報盗用など)が原因で発生した不正利用の損害については、原則として補償の責任を負わない旨の規約変更を行っています。この点からも、自己防衛の重要性がますます高まっています。
注意点1:口座に残高(現金・株式・投資信託など)がある場合の対処法【再掲・詳細】
ステップ1でも触れましたが、口座解約の大前提として、口座残高をゼロにする必要があります。具体的な処理方法を詳しく見ていきましょう。
現金の出金方法
SBI証券の口座に残っている現金は、ご自身が登録している銀行口座へ出金します。
- SBI証券ウェブサイトにログインし、トップページなどの「入出金・振替」メニューをクリックします。
- 出金指示画面で、出金したい金額と取引パスワードを入力します。
- 出金先の銀行口座を確認し、「出金指示確認画面へ」進み、内容をよく確認してから「出金指示」ボタンを押します。
- 出金手数料: SBI証券からの出金手数料は無料です。これはユーザーにとって大きなメリットです。
- 着金までの時間:
- 通常: 営業日の15:30までに出金指示を行えば、原則として翌銀行営業日に指定の銀行口座へ振り込まれます。
- 15:30以降・休業日: 営業日の15:30以降や土日祝日に出金指示をした場合は、翌々銀行営業日の振り込みとなります。
- (例)金曜日の16時に出金指示した場合、月曜日が祝日でなければ、着金は火曜日になる可能性があります。
- 二要素認証: 前述の通り、出金時には二要素認証(メールで受信した認証コードの入力)が必要です(または今後必須となります)。セキュリティ強化のため、必ず設定しておきましょう。
- 連携銀行サービス: 住信SBIネット銀行などの特定の銀行口座を登録している場合、よりスムーズな入出金(即時反映など)が可能な場合があります。
株式・投資信託の移管手続き
保有している株式や投資信託を、解約後も他の証券会社で持ち続けたい場合は、「移管(口座振替)」という手続きを行います。
- 移管先の証券会社(新しく利用する、または既に利用している証券会社)で口座が開設されていることを確認します。
- SBI証券に「口座振替依頼書」など、移管手続きに必要な書類を請求します(オンラインまたは電話)。
- 書類に必要事項(移管元・移管先の情報、移管したい銘柄など)を記入し、SBI証券に提出します。
- SBI証券と移管先証券会社の間で手続きが行われ、通常、数週間程度で移管が完了します。
注意点:
- 移管には、SBI証券または移管先証券会社で所定の手数料がかかる場合があります(銘柄や移管先によって異なります)。
- NISA口座で保有している資産を、他の証券会社のNISA口座に移管することは、年単位での手続きとなり、多くの制約があります。年の途中で移管することは基本的にできません。
- 手続きには時間がかかるため、解約スケジュールに余裕をもって行いましょう。
株式・投資信託の売却手続き
保有している株式や投資信託を現金化する場合は、売却手続きを行います。
- SBI証券ウェブサイトにログインし、「ポートフォリオ」や「口座管理」>「保有証券・資産状況」などのメニューから、保有している商品一覧を表示します。
- 売却したい銘柄の横にある「売却」ボタンをクリックします。
- 注文入力画面で、以下の項目を選択・入力します。
- 数量(株数や口数)または金額: 売却したい量を指定します。
- 注文方法:
- 成行(なりゆき): 価格を指定せず、その時点の市場価格で売買を成立させる方法。すぐに確実に売却したい場合に適していますが、想定外の価格で約定する可能性もあります。
- 指値(さしね): 「この価格以上で売りたい」という希望価格を指定する方法。希望価格に達しないと売買は成立しませんが、意図しない安い価格での売却を防げます。
- 期間: 注文の有効期間(例:「当日中」)を選択します。
- 預かり区分: 売却したい資産が保管されている口座(特定、一般、NISAなど)を選択します。NISA口座の資産を売る場合は「NISA預り」を選択します。
- 投資信託の売却について:
- 指定方法: 「金額指定」(〇〇円分売りたい)または「全額売却」を選択できます。
- 【重要!】注文可能額について: 投資信託の売却画面では、実際の評価額よりも少ない金額(通常、評価額の95%程度)が「注文可能額」として表示されることがあります。これは、注文時から約定時(基準価額が決まるタイミング)までの価格変動リスクを考慮しているためです。保有している全額を売却したい場合は、「全額売却」を選択してください。そうすれば、約定時の基準価額で評価額相当分が売却されます。概算受渡金額も同様に少なく表示されることがありますが、「全額売却」を指定していれば問題ありません。
- 取引パスワードを入力し、注文内容を最終確認してから「注文発注」ボタンを押します。
- 売却注文の取り消し: 株式・投資信託ともに、注文した当日の15時までであれば、注文の取り消しが可能です。「口座管理」>「注文照会・取消」といったメニューから手続きできます。もし間違えて注文してしまった場合でも、時間内であれば慌てずに取り消しましょう。
- 売却から現金化までのタイムラグ: 売却注文が約定(成立)しても、すぐにお金が出金できるわけではありません。
- 国内株式の場合: 約定日(売買が成立した日)を含めて3営業日目に受け渡し(現金化)となります。(例:月曜に約定したら水曜に現金化)
- 投資信託の場合: 銘柄によって異なりますが、約定日から起算して3~5営業日後に受け渡し(現金化)となるのが一般的です。投資信託は注文日の翌営業日以降に約定することが多い点も考慮が必要です。
- つまり、売却ボタンを押してから、その代金を出金できるようになるまでには、数日から1週間程度の時間が必要です。解約手続き全体のスケジュールも考慮して、早めに売却を進めることをお勧めします。
- 税金:
- 特定口座(源泉徴収あり): 売却益が出た場合、SBI証券が税金を計算し、源泉徴収(天引き)してくれます。確定申告は原則不要です。
- 特定口座(源泉徴収なし)や一般口座: 売却益が出た場合、原則として自分で確定申告を行い、納税する必要があります。
- NISA口座: NISA口座内での売却益は非課税です。確定申告の必要はありません。
注意点2:NISA口座・つみたてNISA口座を保有している場合【再掲・詳細】
NISA口座(つみたてNISA含む)を持っている方は、特に以下の点にご注意ください。
- 証券口座解約とNISA口座: SBI証券の総合口座(特定口座や一般口座)を解約する場合、開設しているNISA口座も同時に閉鎖(金融機関変更・廃止)の手続きが必要となります。「口座解約請求書」にNISA口座に関する項目があるか確認しましょう。
- NISA口座のみの解約は不可: SBI証券の総合口座(証券取引口座)を維持したまま、NISA口座だけを解約(廃止)することはできません。
- NISA口座内の資産: 解約前に必ず売却するか、課税口座(特定口座・一般口座)へ払い出す(移管する)必要があります。課税口座へ払い出した場合、その後の値上がり益や分配金・配当金は課税対象となります。
- 非課税枠の扱い: NISA口座を年の途中で廃止した場合、その年に既に利用した非課税投資枠は消滅し、復活しません。 また、同じ年に他の金融機関で新たにNISA口座を開設することもできません。 NISA口座の金融機関変更は年単位での手続きとなるため、解約(廃止)のタイミングは慎重に検討しましょう。
- 他社へのNISA口座移管: 前述の通り、年単位の手続きとなり、年の途中での移管はできません。具体的には、移管したい年の前年10月から当年9月末までに手続きを完了させる必要があります。また、移管したい年に一度でもNISA口座で買付を行っている場合は、その年の移管はできません。
NISA口座の投資信託を現金化する流れ(参考)
急な出費などでNISA口座の資産を現金化したい場合も、ネット証券なら比較的スムーズです。SBI証券の場合、以下の流れになります。
- 売却注文: ウェブサイトにログインし、「ポートフォリオ」などから保有しているNISA口座の投資信託を確認し、「売却」ボタンを押します。売りたい金額または「全額売却」を選択し、預かり区分が「NISA預り」であることを確認後、取引パスワードを入力して注文します。(注文可能額が評価額の95%程度で表示される点に注意。全額売りたい場合は「全額売却」を選択)
- 約定・受渡: 投資信託の場合、通常、注文日の翌営業日以降に約定(基準価額が確定)し、さらに数営業日後(銘柄によるが3~5営業日後が目安)に受渡日を迎えます。この受渡日以降でないと、売却代金を出金することはできません。売却注文から出金可能になるまで、トータルで1週間程度かかると見ておきましょう。
- 出金: 受渡日を過ぎたら、「入出金・振替」メニューから出金指示を行います。手数料は無料です。
NISAは長期的な資産形成を目的とした制度ですが、このように必要に応じて現金化することも可能です。ただし、売却から出金までにはタイムラグがあることを覚えておきましょう。
注意点3:iDeCo口座をSBI証券で利用している場合
SBI証券をiDeCo(個人型確定拠出年金)の運営管理機関として利用している場合、証券口座(投資信託や株式を取引する総合口座)を解約しても、iDeCoの契約は自動的に解約されません。
- iDeCoは継続可能: SBI証券の証券総合口座を解約した後も、引き続きSBI証券を運営管理機関としてiDeCoを継続することは可能です。iDeCoの管理画面などには別途ログインが必要になります。
- 運営管理機関を変更したい場合: もしiDeCoの運営管理機関も他の金融機関に変更したい場合は、証券口座の解約とは別に、iDeCoの移換手続きが必要となります。移換先の新しい運営管理機関(金融機関)に申し込みを行い、手続きを進めましょう。
証券口座の解約とiDeCoの手続きは全く別物であると理解しておきましょう。
注意点4:特定口座・一般口座の年間取引報告書について
口座を解約した後でも、確定申告などで過去の取引履歴が必要になる場合があります。特に「特定口座年間取引報告書」は、その年に特定口座で損益が発生した場合や、譲渡損失の繰越控除を行う場合に必要となる重要な書類です。
- 解約後の入手方法: 通常、解約した年の翌年1月頃に、SBI証券から年間取引報告書が郵送で送られてくるか、ウェブサイト上で電子交付される場合があります(ただし、解約後はログインできない可能性が高いです)。
- 保管の重要性: 税法上、確定申告に関連する書類は、一定期間(通常5年または7年)保管する義務があります。解約後もこれらの書類は大切に保管しておきましょう。
- 解約前のダウンロード推奨: 念のため、解約手続きを行う前に、過去数年分の取引報告書や取引履歴などをウェブサイトからダウンロードして、ご自身のPCや外部ストレージに保存しておくことを強くお勧めします。解約後はアクセスできなくなる可能性を考慮し、事前にデータを確保しておくと安心です。
注意点5:解約にかかる手数料や期間の目安
- 解約手数料: SBI証券の口座解約手続き自体に手数料はかかりません。 現金の出金手数料も無料です。ただし、前述の通り、株式等を他の証券会社に移管する場合には、別途移管手数料がかかることがあります。
- 期間の目安(トータル):
- 書類請求から到着まで: オンラインや電話での請求後、通常数営業日~1週間程度。
- 書類返送から解約完了まで: SBI証券に書類が到着し、不備なく受理されてから、通常1週間~2週間程度。
- 残高処理期間: 現金出金は数営業日、株式・投資信託の売却から現金化・出金までには約1週間~10日程度かかる場合があります。他社への移管の場合はさらに時間がかかります(数週間)。
- 総合的な期間: 口座残高の処理を開始してから、解約完了通知を受け取るまで、最低でも2~3週間、場合によっては1ヶ月以上かかる可能性も見ておきましょう。特に、保有資産の売却や移管が必要な場合は、時間に余裕を持ったスケジュールで進めることが大切です。
注意点6:一度解約すると再開設に制限はある?
SBI証券の口座を一度解約した後、再び口座を開設することは原則として可能です。
ただし、短期間での解約・再開設を繰り返す場合や、過去の取引状況などによっては、再開設時の審査に時間がかかったり、新規口座開設者向けのキャンペーンの対象外になったりする可能性も考えられます。公式に明確な制限が示されているわけではありませんが、解約は必要性をよく考えてから行いましょう。
SBI証券の解約に関するよくある質問(FAQ)
ここでは、SBI証券の解約に関してよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
Q1. 解約手続きはオンラインだけで完結できますか?
A1. いいえ、オンラインだけでは完結しません。
口座解約請求書の取り寄せはオンラインでも可能ですが、最終的な解約手続きには「口座解約請求書」を郵送で提出することが必須となります。
Q2. 解約までどのくらいの期間がかかりますか?
A2. 口座残高の処理期間も含めると、最短でも2~3週間、通常は1ヶ月程度を見ておくのが安全です。
書類の請求・郵送にかかる時間、SBI証券内部での処理期間に加え、口座に残っている現金や証券をゼロにするための手続き(出金・売却・移管)にも日数がかかります。特に保有資産の売却や移管には時間がかかるため、余裕を持ったスケジュールを立てましょう。
Q3. 解約後、取引履歴や報告書は確認できますか?
A3. 解約後は基本的にウェブサイトへログインできなくなると考え、必要な書類は事前にダウンロードしておくのが確実です。
解約手続きが完了すると、通常、ウェブサイトへのログインはできなくなります。過去の取引履歴、損益計算書、特定口座年間取引報告書などの重要な書類は、解約手続きを始める前にPDF形式などでダウンロードし、ご自身のPCやクラウドストレージなどに保存しておくことを強く推奨します。「特定口座年間取引報告書」については、解約年の翌年1月頃に郵送または電子交付(アクセス可能な場合)されることもありますが、確実性を求めるなら事前の自己保管が最善です。
Q4. 家族が亡くなった場合の相続手続き(解約)はどうすればよいですか?
A4. 相続による解約手続きは、通常ご本人が行う解約手続きとは異なります。まずはSBI証券の相続専門部署またはカスタマーサービスセンターへの連絡が必要です。
口座名義人が亡くなられた場合、法定相続人による相続手続き(名義変更または解約・現金化)が必要となります。手続きには、亡くなられた方の死亡が確認できる書類(除籍謄本など)、相続人全員の戸籍謄本、遺産分割協議書(遺言書がない場合など)、相続人全員の印鑑証明書、SBI証券所定の相続手続依頼書など、多くの書類が必要になるのが一般的です。ケースによって必要書類や手順が異なりますので、まずはSBI証券に電話で連絡し、相続手続きについて問い合わせ、専門部署の指示に従ってください。手続きには相当な時間がかかる場合があります。
Q5. 解約手続き中に取引はできますか?
A5. 解約手続きを進める前に、すべての買付取引を終え、保有資産の売却・出金・移管といった残高処理を完了させる必要があります。
口座解約請求書を提出する段階では、口座残高はゼロになっていることが前提です。そのため、解約手続きの申請中や処理中に、新たに株式や投資信託を買い付けることはできません。売却注文についても、解約手続きを開始する前に完了させておくのが原則です。
ただし、万が一、解約申請前に発注した売却注文を取り消したい場合は、注文当日の15時までであれば取消可能です(「注意点1」参照)。
【まとめ】SBI証券の口座解約は準備と段取りがカギ!
SBI証券の解約は、口座残高をゼロにし、必要書類を揃えて提出すればスムーズに完了します。特に、NISA・iDeCo・積立設定の解除や登録情報の確認など、事前準備が重要です。セキュリティ対策も忘れずに行い、必要書類は解約前にダウンロードしておくのが安心です。再開設は可能ですが、キャンペーン対象外になる可能性もあるため、解約は慎重に判断しましょう。
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